とくに乳児早期は、脂漏性皮膚炎や接触性皮膚炎などの皮膚トラブルが多く見られます。また、アトピー性皮膚炎の発症は生後1か月ころより認めます。
皮膚のバリア機能が低下していて、炎症があるところでは、経皮感作(食材の抗原が荒れた皮膚から体内に入り、免疫細胞が活発になりIgE抗体が作られること)が起こり、食物アレルギーのリスクとなります。また、アトピー性皮膚炎は、その後のアレルギーマーチ(乳幼児期のアトピー性皮膚炎を始まりとし、続いて食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎と次々と異なる時期に出現してくること)を併発するリスクとなります。
乳児期の湿疹は、出現時期が早いほど、そして長期間にわたるほど、食物アレルギーのリスクが高まります。そのため、いかに早く乳児湿疹を治すかが、その後の赤ちゃんやご家族の人生を左右する一つの大事な時期と言えます。
「乳児湿疹は自然に良くなるので経過を見よう」ではなく、以下を参考に、赤ちゃんに湿疹がある時は、ワクチン前であっても早めの受診をおすすめします。
- 一週間程度、朝晩、泡洗浄して保湿をしても湿疹が治らない時
- 赤ちゃんがかゆそうにしている時:抱っこをすると顔をすりつけてくる等
当院では、生後2か月からのワクチン接種時にも、必ず皮膚状態を診て、アトピー性皮膚炎の重症化や食物アレルギーの予防に努めています。